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東洋医学の視点から見る糖尿病の原因

UPDATED 2019.10.10 06:30

前回は西洋医学の観点から糖尿病の種類からとその原因を見てきました。今回は東洋医学(中医学)の切り口から、糖尿病Ⅱ型の解説をしていきたいと思います。

前回のおさらいですが、西洋医学における糖尿病の原因として、「インスリンの不足とインスリンの機能低下」がありました。

東洋医学において膵臓の役割をするのは「脾」であると言われていますが、東洋医学における糖尿病の原因として「脾気虚」が挙げられています。

「脾気虚」とは、脾における気・エネルギーが欠乏してしまい、その結果脾の働きが低下してしまっている状態のことを指します。

脾臓・膵臓が弱まってしまう原因は幾つかあるのですが、一般的に体を冷やすような食べ物を取り過ぎてしまうこと、そして甘いものを食べ過ぎてしまうことがあります。

また、「インスリン受容体の機能低下」が糖尿病の原因の一つであるとも言いましたが、これは中医学において肝に異常が出ていることだと言い換えることができます。

インスリン受容体の働きが低下してしまうのは、主に肥満による脂肪細胞の肥大が原因であると解説しました。

ここで中医学において脂質・油の分解・代謝に関わる臓器は肝です。肝は束縛のない自由な状態を好むのですが、体内における過分な脂質・油は肝の気を滞らせてしまいます。

もしも脂っこい食べ物を食べ続けてしまうと、肝気はさらに鬱滞してしまい、肝はだんだんとストレスを溜めていってしまいます。

また肝はデトックス、つまり解毒の働きをもつ臓器です。精神的ストレスは身体にとって毒となるので、ストレスを感じ続けてしまうと肝は絶え間なく解毒をしなければなりません。その結果、肝気は滞ってしまいます。

そして換気の悪い場所では熱がこもりやすいように、長期間の肝気の滞りは肝や身体の内部に熱(内熱)を生み出してしまいます。

東洋医学の理論によれば、脾気虚と肝気滞や内熱の状態は相互に関係し合っています。五臓六腑における臓器間の関係性を見てみると、肝は脾をコントロールする関係にあります。

肝気の滞りそして過剰労働によって肝はオーバーヒートしてしまい、肝は自分を抑制できなくなってしまいます。

その結果、肝は脾を過剰にコントロールしてしまい、異常な抑圧を受けた脾はだんだんと力を失い、脾気が弱くなってしまいます。

興味深いことに、この図はまさにインスリン抵抗性が高くなることによって、インスリンを分泌する膵臓が徐々に疲弊してしまうサイクルと同じだと言えます。

西洋医学と東洋医学とは表現する言葉は違えど、扱っている内容は同じなので共通するものがあることが分かります。

この東洋医学における診断から治療方針を立てていくとするならば、①肝の気を動かし、肝をリラックスさせる②脾臓・膵臓を増強させると言うことができます。

いよいよ次回からは糖尿病に良いとされる食事についてご紹介していきます。初めは、血糖値をコントロールするのに欠かせない複合炭水化物についてシェアしていきます。