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糖尿病の種類とその原因

UPDATED 2019.10.10 06:28

前回は糖尿病とはそもそも何なのかということについて書いていきました。今回は糖尿病の種類とその原因についてご紹介していきたいと思います。

糖尿病には2種類のものがあり、Ⅰ型とⅡ型とに分けられます。

Ⅰ型は何らかの原因で膵臓が破壊される、もしくは機能不全により、血糖調整をするインスリンというホルモンがほとんどまたは全く分泌されなくなってしまうことで発症する糖尿病です。

このインスリンは血液を流れるブドウ糖を細胞に取り込ませるために絶対に必要なホルモンの一種です。

また、肝臓、筋肉、そして脂肪組織では血液中の余ったブドウ糖をグリコーゲンや中性脂肪の形で蓄えたり、またブドウ糖へと戻したりしています。

このため、インスリンが不足してしまうと細胞にブドウ糖を取り込めなくなるので、血液中にブドウ糖が残ってしまい、最終的に尿に漏れ出てしまいます。

Ⅰ型糖尿病の発症は子供や若い人に多く、インスリンを体外から補給しないと生命に関わるため、インスリン注射が欠かせません。また、Ⅰ型糖尿病は糖尿病患者全体のわずか5%であると言われています。

Ⅱ型は、Ⅰ型と異なり体内におけるインスリンの分泌は行われるのですが、大まかに分けて3つの原因によって引き起こされる糖尿病を指します。

①インスリンの不足

一つ目の原因として、「インスリンの分泌不足」が挙げられます。Ⅰ型ほどではありませんがインスリンの分泌が悪いため、場合によってはインスリン注射を通じて不足したインスリンを補う必要があります。

しかし、インスリンを分泌する膵臓のβ細胞の機能が回復すればインスリン注射を止めることが可能だとも言われています。

②インスリンの働きが低下

二つ目の原因として、「インスリンの機能低下」があります。

一つ目の原因と違って、インスリンは十分に分泌されているのですが、そのインスリンの働き自体が悪いためにブドウ糖が細胞に取り込まれず糖尿病になってしまうのです。

③インスリン受容体の働きの低下

3つ目の原因は、細胞膜上に存在する「インスリン受容体の機能が低下」してしまうためです。

ブドウ糖が細胞に取り込まれることによって、そこで私たちの生命活動のためのエネルギーが作られる訳ですが、実はこの取り込みにはインスリンとインスリン受容体が結合することが必要です。

よくインスリンとインスリン受容体は「鍵と鍵穴」の例に例えられます。これはどういうことかと言いますと、鍵であるインスリンが鍵穴であるインスリン受容体に差し込まれると、細胞膜上にある扉が開いて、細胞の中にブドウ糖が入っていけるということです。

この鍵穴の役割をするインスリン受容体において、インスリンと結合する働き・感受性が悪ければ、ブドウ糖を細胞内に取り込むことができなくなってしまうのです。

この状態は「インスリン抵抗性」とも呼ばれ、インスリン抵抗性が高くなってしまうと、つまりインスリン受容体の機能が低下してしまうと、結果的に血液中のブドウ糖が増えてしまうのです。

このインスリン抵抗性を招いてしまう大きな要因に「肥満」があります。

肥満になると、肥大した脂肪細胞が悪玉物質を分泌します。この悪玉物質がインスリン抵抗性を引き起こす親玉であると最近の研究で分かってきました。

インスリン抵抗性によって血糖値が上昇してしまうと、高くなった血糖値を下げようとして膵臓はどんどんインスリンを分泌します。

しかし、悪玉物質によってインスリン受容体の働きが低下しており、インスリンに対する感受性が悪い状態であるため、血液中のブドウ糖は細胞になかなか取り込まれることができません。

やがて、膵臓は疲弊していき機能低下を起こすため、インスリンの分泌は減少してしまいます。

また、インスリンには脂肪細胞の脂肪分解を抑える働きもあるのですが、膵臓の機能低下によってインスリン不足になると脂肪の分解が進みます。

これは、本来ならばブドウ糖が細胞において体に必要なエネルギーになるのですが、それができない状態なので、代わりに脂肪を分解することで体に必要なエネルギーを得るためだと言えます。

「脂肪が分解される」と言われると聞こえが良いかもしれませんが、この脂肪分解によって、悪玉物質と同様の働きをする「遊離脂肪酸」が血中に放たれ、さらにインスリン抵抗性を悪化させる結果となってしまうのです。

これらの事実から、肥満になればばるほど、インスリン受容体の働きを悪化させてしまい、糖尿病が治りにくくなってしまうと言うことができます。

つまり、糖尿病治療において肥満の改善がとても重要な鍵であるという結論に至るのです。

以上、西洋医学における糖尿病の種類とその原因について説明していきました。次回は東洋医学の視点から見る糖尿病の原因についてお伝えしていきます。

面白いことに、西洋医学の診断と東洋医学の診断とは相共通するものがあったのです。