私たちの身体は約70兆個からなる細胞によってできています。これらの細胞は筋肉や骨といった組織そして心臓や肝臓といった器官になり、身体の活動を支えています。
細胞は血液によって運ばれてきた栄養素を得ることで、元気に働くことができます。では、この細胞に必要な栄養素はどこから得られているのでしょうか?
それは私たちが普段、口から入れてる食べ物からです。毎日の食事において、どのような物を食べるかによって、細胞に運ばれてくる栄養素が変わっていきます。
つまり、私たちの身体は私たちが普段食べる物によって作られているということなのです。栄養バランスの良い食べ物を摂ることで、細胞は豊富な栄養素を得ることができ、元気に働き、私たちは健康な身体を保つことができます。
逆に、偏った食事を取り続けると細胞が十分に栄養素を得ることができず、細胞の働きに問題が出てきてしまいます。これが長い間続いてしまうと、私たちは病気になってしまいます。
しかし、一度病気になったとしても食生活を改善することで、もとの健康な状態に戻ることがあります。ですから、昔の人々は「医食同源」という言葉を用いて、毎日の食の重要性を強調してきました。
今から約3000年前の中国、周王朝の時代では皇帝の健康を管理調整する「食医」と呼ばれる役人のお医者さんがいました。
「良い医者は未病を治す」と中国のことわざであるように、食医は皇帝が病気にならないように日々の食事から予防を試みました。
このような重要な役目を持っていた食医は、多くの人々から尊敬され医療職の中で最も高い位とされていました。
最近の欧米、とくにアメリカにおいても食が人間の健康を作るものとして、新しい視点から見直されてきました。
それはホールフード(whole food)、つまり有機栽培などによって育てられた自然食品やその素材を丸ごと食べることが健康な身体を作る、という考え方です。
ホールフードには身体に必要な栄養価が豊富に含まれており、農薬や食品添加物といった身体に害を及ぼすものは入っていません。ホールフードを食べることは、私たちが健康を維持していく上でとても大切だと言えます。
この考え方は、1980年代からアメリカの人々に徐々に浸透していきました。より良い質、言い換えれば栄養価の高い食べ物を摂取することの重要性が多くの人々に理解されてきたと言えます。
私たちの身体は普段私たちが食べるものによってできています。このため、食と健康とは切っても切り離すことができない関係にあります。毎日の食事が私たちの健康を作っているのです。